ステンレス浴槽について知りたい方へ
私は実家がステンレス浴槽で、20年近く入り続けていました。
一人暮らし歴16年の中で引っ越しを5回しているのですが、ステンレスの浴槽を上回る保温性の浴槽に、今まで出会ったことがありません。
昨夜の残り湯で朝風呂を楽しむこともできます。追い炊きなしで。
周りを見渡して、追い焚き機能がついているお風呂をうらやましい!と憧れていましたが、追い焚き無くても入れるステンレス浴槽の方がなんぼもすごいです。
今更ステンレス?なのですが、ステンレスの浴槽の歴史を見直し、再評価してみようと思います。
あなたがステンレス浴槽を検討中であれば、少しでも参考にしていただければと思います!
■目次
ステンレスの浴槽あれこれ
そもそもステンレス浴槽をご存知でしょうか?
ステンレス浴槽とは、ステンレス素材でできたバスタブのことです。
自分ちがそうじゃなくても、昔おじいちゃんちとかにあった!とか、親戚の家がコレだった!とか覚えがありませんか?
かつてはステンレス浴槽が主流の時代があったんです。
歴史を紐解いていきましょう。
ステンレス浴槽が主流の時代
過去の遺物ともいえるステンレス浴槽ですが、一時は浴槽といえばステンレスという時代がありました。
ステンレス浴槽はいつ頃うまれたのでしょうか?
今から遡ること65年前、昭和28年に、建設省の九州地方建設局が病院の身体障害者用としてステンレスの浴槽を採用したのが始まりだったようです。
昭和32年頃から一般家庭にも普及が図られ始めたのですが、ステンレスの金属っぽい感じがそれまでのホーロー、タイル貼り、木製のお風呂馴れた人にとっては抵抗があったようです。
しかし、ステンレスの耐久性、垢のつきにくさ、洗浄のしやすさなどがじわじわと評価されはじめ、昭和47年あたりにはステンレス浴槽が多くの一般家庭に普及していたようです。
ステンレスは浴槽として優秀という結果が出ている
1973年(昭和48年)の資料がこちら。ステンレスが浴槽として優れている結果が出ています。
ステンレスの保温性の高さだけ抜群に秀でてます。そう、ステンレスは本当にお湯が冷めにくいのです。
(参照資料:クリナップ(株) ステンレスものがたりP12.13)
【衝撃】実際にステンレス浴槽の保温力を計った結果
ここにきて、なぜ私は今さらステンレス浴槽のことを伝えようとしているのでしょうか?
それは、やはり、ステンレス浴槽がとんでもなく保温性が優れているからに他なりません。
実家のステンレスの温度の変化を測定してみました。
まだ少し肌寒い5月、23時の浴槽の中の温度は42度。お湯を3分の2ほど張っている状態でフタを閉めておきました。
翌朝9時の浴槽の温度⇒ 39.5度。
10時間で2.5度しか温度下がってないって、すごくないですか?5月とはいえ、すごくない?
これってもはやサーモスじゃん?
実際、サーモスの素材はステンレスです。
私は毎日サーモスのタンブラーに浸かっているようなものだったのです。
ステンレス浴槽はなぜ衰退したのか?
こんなにも浴槽として優れているステンレスがなぜ時代遅れになってしまったのでしょうか?
その理由は、ステンレス浴槽のデメリットにあります。
ステンレスのデメリットについて
- 見た目が金属っぽい
- 肌さわりが固く冷たい
- カラーの塗装をしたところで剥がれやすい
- 衝撃を与えると変形することがある
ステンレス浴槽のデメリットを補うカタチで新たなタイプの浴槽が登場したことも、ステンレス浴槽の衰退に繋がっています。
ステンレス浴槽のデメリットを検証してみた
- 見た目が金属っぽい
- カラーの塗装をしたところで剥がれやすい
⇒見た目は悪いです。でも慣れます。
ステンレスと塗装は相性が良くありません。長く使っているとおそらく塗装が剥げて補修が必要になるので、最初から塗装はしないほうがいいと思います。
ちなみに我が家は外側はステンレス素材じゃないので、外側でオシャレを楽しむことはできます。
- 肌さわりが固く冷たい
⇒冬場はお湯を張っていない部分は肌に当たると非常に冷たいです。
浸かるときは背中部分にお湯をかけていました。
- 衝撃を与えると変形することがある
⇒普通に入っている分には変形は気にしないでいいと思います。普通に入る分には変形や傷もつかないです。
ステンレスを変形させる衝撃だと、他の素材の浴槽でもなんらかの変形があるのではないでしょうか。
ステンレス浴槽の掃除方法
ステンレス浴槽の掃除方法は、洗剤をつけてスポンジで擦ります。荒いスポンジやタワシだと表面に傷がつくので柔らかめのスポンジがいいです◎
使用していると細かい傷はできますが、ステンレス用の研磨剤を使うとピカピカになるのでおすすめです。
「FRP浴槽」の登場によりステンレス浴槽は影をひそめた
FRP浴槽とは?
ステンレス浴槽の代わりに登場したのが、FRP(繊維強化プラスチック)浴槽です。
この浴槽は、樹脂素材にガラス繊維を混ぜたものが材料として使われています。
おそらく、一般家庭のバスタブの多くはFRP浴槽だと思います。
(写真:TOTO公式HPより)
FRP浴槽のメリットとデメリット
FRP浴槽の何がそんなに人々の心を掴んだのでしょうか?
特徴をみていきましょう。
<FRP浴槽のメリット>
- 肌触りのよさ
- カラーのバリエーションや選べるデザインの多さ
- 保温性と防水性が高い
- 軽量で丈夫
- 初期費用が安い
こんなにもメリットがあります。
ステンレスのメリットを満たしているのはなおのこと、しっかりデメリットを補っています。
<FRP浴槽のデメリット>
- 汚れが目立ちやすい。
FRP浴槽は表面に塗装がしており、塗装がしているとどうしても汚れがつきやすいそうです。
私も一人暮らしの時はFRP浴槽でしたが、どれだけ洗剤で擦っても黄ばみが取れなくて諦めていました。
FRP浴槽も保温性が優れているとありますが、ステンレス浴槽の保温性と比較した場合、ステンレスの浴槽が断然上です。16年間、5ヶ所のFRP浴槽に入り続けたので間違いないです。
ともあれ、浴槽の保温性を上回るメリットを人々はFRP浴槽に感じたのは違いありません。
おしゃれな洋風の家が好まれる時代の流れに、ステンレス浴槽がついて行けてない部分があったのではないかと推測しています。
ツイッターから拾ったステンレス浴槽の正直な声
しかしながら、喫茶店でサーモスのタンブラーで珈琲が出てこないように、人々は肌に触れるものやフォルムに滑らかさや温かみを求める傾向にあるのかもしれません。
ツイッターからステンレス浴槽に対する人々の正直な声を拾ってみました。
今時ステンレス浴槽選ぶ人っているのかな…? pic.twitter.com/lu2mc0Xo1Z
— オーツ [O-TSU] (@OtsuTakeru) 2018年3月15日
父方の祖父母はもう亡くなってるのだけど、その後祖父母宅は買い取ってもらい民泊経営してると聞いてサイト見てきたら、懐かしの古い祖父母宅に空調+Wi-Fiがガッツリ通っててなんとも不思議な気持ちになった…(しかし風呂が狭くて昔ながらの銀色ステンレスな浴槽のままだったw)
— せり (@seriri0716) 2018年5月22日
さらに お風呂からも海が見える♡
ステンレスの浴槽 なつかしい。
これ 肌に触れると
冷やってなるんだよね。 pic.twitter.com/gxyhzAcPdY— ゆかり (@yukari_siesta) 2017年12月9日
ステンレス浴槽が世間に再評価されるまでの道のりは険しい。
まとめ
追い炊きのガス代も、ちりも積もれば年間で数千円、数万円の違いがでます。
世間はどうあれ、見た目や肌触りより温度重視という人にとって追い炊き要らずのステンレス浴槽は家族が多い人にとって最強の味方になってくれると思いますよ。