専業主婦を「キャリア」にした女性が日々の主婦業でやってきたこと

専業主婦の人の中には、子育てに専念するという選択をしながら、いずれはやってくる「再就職」の不安を抱えている人も多いのではないでしょうか?

子育てを終えて仕事に戻るとき、年齢とブランクの壁を乗り越えることは容易ではありません。

五十代、専業主婦歴を見ただけで、企業は戦力外とみなしてしまう。


専業主婦になったら一生仕事に戻れないと、いったい誰が決めたのだろう?

五十代になって再就職し、バリバリ働く。そんな生き方が、これまでなかったというだけだ。

『専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのこと』

この言葉を見たとき、「おおおおお!!!」と胸の奥から込みあがってくるものがありました。

専業主婦が就職するまでにやっておくべき8つのことの著者である薄井シンシアさんは、
日々の行動を積み重ねていき、就職時に本来、職歴外の専業主婦業を「キャリア」にした女性です。

気づきを与えてくれる一冊でしたのでご紹介します^^

薄井シンシアさんとは?

薄井シンシアさんは、フィリピン生まれ。
東京外国語大学への留学をきっかけに来日。卒業後も日本の企業で働きます。
27歳の時に外交官の夫と結婚、30歳で出産した時に専業主婦の道を選びました。

娘が大学に入学をきっかけに、“給食のおばちゃん”として再出発。
日本に戻ってからは、5つ星ホテルの副支配人を務め、現在は日本コカ・コーラ 東京2020年オリンピックホスピタリティ担当に従事しています。

出発点は「専業主婦」を長い人生の「キャリア」と位置付けたこと

薄井さんは、子供を産むまでは専業主婦なんて考えたこともなかったそうです。

子供を産んだ時、自分の役割はこの子を育て上げることだと啓示のように感じたと同時に、
専業主婦を「キャリア」と位置付けることを決意しました。

そして、主婦業における、

  • 家事というマルチタスクをこなす力
  • 家族へのホスピタリティ
  • PTAや地域活動などで培われるクレイティビティ

これらは十分「キャリア」になりうる能力だといってます。

しかし、漫然と家事をこなしているだけで通用するかというと、ノー。

まずは「会社で仕事をするように家事をすること」で、家事スキルを会社でも通用スキルにしていく必要があります。

  • 気分でやったりやらなかったりしない
  • スケジュールを組み家事仕事をこなす

もう一度外で働こうと思っているなら”なんとなく主婦をやること”を止めることが第一歩なのだそうです。

新しいことを習得するスキルを身に付けておく

新しいことを始める「習得するスキル」を身に付けることをこの本ではすすめています。

再就職したら、新しいやり方、仕事を身に付けなければならないので、新しいことを習得するスキルはとても役に立つそうです。

料理でも、お菓子づくりでもいい、まずは基本を徹底的に叩き込むこと。その道のプロを目指すつもりで取り組んでみる。

新しいことを習得するスキルのポイントは、

  • 基本を徹底的に
  • テキストを決める
  • 目的と期間を決める

趣味でもなんでも、普段から新しいことを身に付けることを習慣にしておくことで、仕事のスタートラインに立てる状態になっているといいます。

就職して働くための準備と心がまえ

外の壁と内の壁

せっかく再就職をしても、3ヵ月や半年の短期間で止めてしまう主婦たちが多いそうです。
一番の理由は、体力不足。
ブランクを乗り越えるためには、まずは普段から体力づくりをすること。

現実的ですね・・・

必要なのは「覚悟」

専業主婦を「キャリア」にすると決めて選択をするのも覚悟。そして、就職をすると決めて仕事をしていくのも覚悟だと薄井さんは言っています。

専業主婦の中には、「ダメだったら辞めたらいい」という気持ちがある人も多いのではないか。
それは覚悟が足りていないということ。そんなことでは五十代が企業側から使えないと判断されても仕方ないと。

そして、無事就職してからは、この4つを心掛けるようアドバイスがありました。

  1. プライドを捨てる
  2. わからなければ頭を下げて聞く
  3. 数カ月で与えられた仕事を完璧にこなせるようにする
  4. プラスアルファの仕事を積極的にこなす

感想

この本は、主婦の痛いところをグサグサと突いてきます。

英語もできて高学歴の薄井さんでも、日本で就職先を探すのは非常に困難で、見つかったのが時給1300円の電話受付のアルバイトという現実に、打ちのめされそうになりました。。

でも、「覚悟」と日々の積み重ね次第で五十代の就職という希望があるなら、今の専業主婦という選択の迷いも少なくなる。

なるべくなら、一歳でも若い内に再就職をした方がいいのではないだろうか?と不安になりながら専業主婦として子育てをする女性たちに、
「仕事は子育てが終わってからでも始めれる。だから、今は子育てを一生懸命やってください。」
これからは、そんな選択肢がある世の中になることを願って。