こんにちは。読書好きブロガーのかげこです。
ビジネス本はお好きですか?私は好きで、会社員の時は年間数十冊は読んでいました。
今回ご紹介する、みうらじゅん著『「ない仕事」の作り方』は、今まで読んだビジネス本の中で一番笑えました。
内容もフリーランスの人が読んだら、明日からでも使えそうなことがたくさんありました。
フリーで仕事をしている人の参考になればとおもいます!
■目次
みうらじゅんってどんな人?
(写真:みうらじゅんHPサイトより)
1958年京都市生まれ。武蔵野美術大学在学中に漫画家デビュー。
以来、漫画家、イラストレーター、エッセイスト、ミュージシャンなどとして幅広く活躍されています。
『ワイドナショー』でもコメンテーターとして出演しています。とにかく、いろんなことをしてるイメージです。
「ゆるキャラ」「マイブーム」の名付け親というのは有名ですね。
そんな、マルチな才能あふれる、フリーランス歴35年のみうらじゅんさんが書かれた『「ない仕事」の作り方』のおすすめポイントを紹介します。
好きになるまで無駄な努力を続ける
「ゆるキャラ」というのは、氏が面白いと言い続けていたからブームが広がっていったのだと思っていたのですが、実際は、ゆるキャラブームは氏の努力の賜物だったことを今回初めて知りました。
少し長いですが、引用します。
私だって「今、ゆるキャラが面白いよ」と一言言ってそれがブームになるのであれば、それに越したことはありません。しかし当然ですが、その程度では人は興味を持ってくれません。
人に興味を持ってもらうためには、まず自分が、「絶対にゆるキャラのブームがくる」と強く思い込まなければなりません。「これだけ面白いものが、流行らないわけがない。」と自分を洗脳していくのです。
他人を洗脳するのも難しいですが、自分を洗脳するのはもっと難しいものです。なぜなら相手は手の内をいちばんよく知っている「自分」だからです。
そこで必要になってくるのが、無駄な努力です。興味の対象となるものを、大量に集め始めます。好きだから買うのではなく、買って圧倒的な量が集まってきたから好きになるという戦略です。
寝耳に水過ぎて、ショックを受けました。
普通は、逆ですよね?好きだから、集めますよね??
そうじゃなく、まずは、時間・資本・労力を投下する。
気になる人や物に関する情報を集めて、自分なりに考えをまとめて「発表」をすれば、それが仕事になる可能性は十分にあるということです。
集めるだけ終わってはいけない。企画〜接待まで。「ない仕事」をつくる『一人電通』という仕事術
「ない仕事」をするのだから、先方から仕事の依頼がくることはほとんどない。編集部に出向き、連載の企画を持ち込む。しかし、持ち込み企画が実現するなんて奇跡に近い。
そこで大切になってくるのが出版社の人を『接待』すること。そして、接待の場で、プレゼンをすること。
ここら辺は、フリーランスの人でも、会社員で営業をしている人にも役立つ部分だと思います。そこまでして、ようやく「ない仕事」を作っていくことができる。
仕事が欲しいというより、「この面白いものを世の中に広めたい!」というみうら氏の熱量が、仕事を生み出しているような気もしました。
今まで持ち込んだ企画の中には、『当然つくるべき』『あったら絶対買う』という気持ちがあったそうです。
売れるかどうかはどうでもいいという一言も!!
自分がお金を払ってでもしたいという熱量が、仕事を選んだり、売り込んでいく上でも大切なことだと思いました。
「ない仕事」は最初は怪訝に思われたり、当事者に嫌がられたり、怒られたりすることもある。
しかし「それでも自分は好きなんだ」という熱意を失わなければ、最終的には相手にも、お客さんにも喜んで貰えるものになります。
魔法の呪文「そこがいいんじゃない!」
氏でも、自分の企画を「つまらないかもな」と不安に思うこともあるらしいです。
人は、よくわからないものに「つまらない」と反応しがち。しかし「ない仕事」を世に送り出すには「普通」では成立しない。
そこで、つまらないかもなと思ったら、つま・・ 「そこがいいんじゃない!」と全肯定することで突き進んでいくという考え方が、素敵でした。
みなさんも、不安な時ほどこの呪文を唱えましょう。
つま・・ 「そこがいいんじゃない!」
「ない仕事」に着眼するキュレーション能力はみうらじゅん独特のもの?
「ゆるキャラ」や「趣味」にしても、普通の人は「つまらない」とか「好き」で片付けてしまいがちです。
「ない仕事」とは、依頼もないのに勝手にやった仕事と氏は定義しています。
現在、あなたの中でグッとくるものがあったとしますよね?
それをどうやって仕事に昇華させるか、みうら氏はどういう風に行動しているのでしょうか?
趣味を趣味で終わらせない
趣味は突き詰めなければ意味がありません。
対象そのものが好きだからぐらいでは困るのです。サッカーのあるチームが好きだ、アイドルのあのグループが好きだ、将棋を打つのが好きだ、イタリア料理を作るのが好きだ。
すべて「そのまま」では何も生み出すことはできません。
氏は好きなものはとことん突き詰める。
そして、突き詰めるからこそ、誰も手をつけていない「ジャンル」が浮かび上がってくるといいます。
時間をかける
「SINCE」にいたっては、目をつけて、「SINCE」を収集してはいるものの、まだ具現化されるまでには至ってないそうです。
(SINCE・・何年に創設されたものとかの表記で使用されているもの。氏は「シンス」がとても気になっていて、シンスを収集したり、撮りまくっているのだそう)
それまでは、トークショーでちらりと語ってお客さんの反応をみたりして、何がウケてウケなかったかなど、手探りをしているのだそう。
本の中では、これがどんな行く末になるか楽しみにしていてください、ということでした。
つまり、氏のキュレーション能力がズバ抜けているかというより、その定義づけの部分で面白さを生めるかの方が大きいのだと思います。
無関係のものと組み合わせたり、そこに何か新しいものがあるように見せるという手法を編み出したり。(シンスならぬ、センスも必要と思われる)
カタチになるまでは時間がかかるものが多いようですが、それまでしつこく好きでい続けることが大切なのだと言っておられます。
あとがきも最高だった
人生どうなるかなんてわかりませんが、ひとつはっきりしていることは、他人と同じことをしていては駄目だということです。
なぜかというと、つまらないからです。
皆と同じ人気職種を目指し、同じ地位を目指すのは、競争率も高いし、しんどいじゃないですか。
それよりも、人がやっていないことを見つけて達成するほうが、楽しいじゃありませんか。
競争率の低い道を、楽しく進もう!と勇気づけられるメッセージ。
まとめ
「ない仕事」をどう工夫して、「仕事」にまで昇華させていくか。その具体的な方法がこの本には書かれています。
フリーランスの人は、この本を一読して損はないと思います。
みうらじゅん著『「ない仕事」の作り方』
笑えて役に立つ、おススメの一冊です。